路地の先に佇むBAR
山口県にある人口3,400人の小さな町、阿武町に新しいBARが出来たらしいという噂を耳にして訪ねてみた。
その日は、朝から雨が降っていた。
時代を感じさせる町並みの港街。
家々の軒先が突き出した狭い空を仰ぎ見ながら、雨に濡れた路地を歩いていくと、そのBARはあった。
『下請酒場 BAR フジヤマ』
まるで、ずっと昔からそこにあったような佇まいで。
お店からは、余計な手を加えない潔さが伝わってくる。
昔の建物の記憶も引き継いでいくようなつくりが、とても心地よい。
『フジヤマ』という店名も、元の持ち主であるフジヤマさんのお名前から引き継がれているそうだ。
琥珀色の誘惑
フジヤマに置いてあるメインのお酒はウイスキー。
もちろん“JAPANESE WHISKEY”も取り揃えている。
カウンターに並べられたボトルに、エジソン球の灯りが背後からあたり、なんとも言えない魅惑的な琥珀色の光を放ち、つい端から順番に呑みたくなってしまう・・・
ハッ!これも計算?恐るべしフジヤマ。
勿論、ビールやワインなど他のお酒やソフトドリンクもあるのでご安心を。
フードは、自家製ポテトサラダや阿武町産米『うもれ木の郷』を使用した卵かけご飯など、色々取り揃えているが、中でもオススメなのが『クリームチーズの味噌漬け』。
これは、お酒に合う!合いすぎて怖い。オススメです。
誰もがパイオニアになれるマチ
フジヤマのオーナーは、阿武町の地域おこし協力隊『鍋倉 旭』さん。
なんと24歳。圧倒的に若い。24歳で起業。そして爽やか(笑)
内に秘めたは熱いものを持ちつつ、熟練の職人の様に落ち着いていて、浮ついたところは一切ないという不思議なバランスの人物だ。
今年の2月に、神奈川県鎌倉から阿武町へ移住した。その理由がスゴい。
『可能性しかないから』
阿武町の地域おこし協力隊に着任してから、約半年での起業なのだ。このスピード感は素晴らしい。やはりやる人は、すぐやるのだなぁ。
ご本人の力量は言うまでもないが、それを可能にする環境が『阿武町』にはあると言う事だろう。
そして、一緒にお店を切り盛りするのが、お料理担当で阿武町出身の『ふしの』さん。
彼女の癒しの笑顔と纏うオーラで、この空間が一瞬で温かで優しいものになる気がする。
「ふしのちゃんが居なかったら、このお店はやってなかったと思う」とオーナーの鍋倉さんが言っていた事に納得。
地域も“人”、お店もやはり“人”という事か。
味わいのあるデザイン
そして特筆すべきは、暖簾や提灯、コースターなどに入っているイラストと文字。これがまた良い。
このイラストが、この町と建物にぴったりとフィットしていて、フジヤマをより味わい深い場所にしていると感じた。
そして、この手書きの提灯がまた良い味を出している。
新しいコミュニティの誕生
フジヤマは、阿武町に生まれた新しいコミュニティだ。
もちろん、酒場としての機能もあるけれど、若い世代がチャレンジ出来る一つの象徴的な存在になっていく予感がするし、年齢には関係無く、そこに集う自由で柔軟な熱い思考の人達が、ここから “これから” を始めていくだろうと期待してしまう様な“場”だった。
今後は、2階に宿泊出来る様にしていく計画もあるそう。
20代の2人、しかもUターンとIターン2人だからこそ生まれる、若い視点での『地元目線』と『よそ者目線』の掛け合わせ。 宿泊が可能になれば、その掛け合わせを活かして、フジヤマが阿武町の内と外を繋ぐ“デイリグチ”となり、滞在から居住への流れをつくる“場”となる日もそう遠くは無いだろう。 その日が待ち遠しくなる夜となった。
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下請酒屋 BAR フジヤマ
[Open]
水・木・金
17時〜22時
[Facebook]
https://www.facebook.com/下請酒場-BAR-フジヤマ-1499537930104466/
[Address]
山口県阿武郡阿武町奈古2691
[Parking]
『道の駅阿武町』へ駐車して下さい
http://bit.ly/2x8qaXD
[Menu]
ハートランド:¥500
ハイボール:¥500〜
(響・山崎・白州・竹鶴etc.)
日本酒・焼酎各種:¥500〜
唐揚げ・砂ずりのガーリック炒め:¥400〜
クリームチーズの味噌漬け・ポテトサラダ:¥400〜
(上記のMenuは一部です)